流体解析ソフトウェアFLOW-3D® により、クリームはんだの印刷や潰れ、溶融~濡れ上がり時のはんだ流動、チップのずれなどのシミュレーションが可能です。濡れ上がりなどはんだ形状の予測には流動解析が必要ですが、FLOW-3D® の卓越した自由表面解析機能(表面張力、濡れ性、相変化など)は最適なソリューションとなります。また、構造インターフェースF.SAIを組合せることで、流動計算の結果を構造解析の初期条件として利用し、総合的なシミュレーションを構築する事ができます。
リフロー式はんだ工程
FLOW-3D® により、ペースト状態のはんだを加熱・溶融し、リード線等の部品と電極板を接合させるリフロー式はんだ工程の解析が可能です。様々な環境下で使用される電子部品のはんだ接合部では、十分な品質の確保が求められます。はんだ量、溶融炉内およびはんだ・部品の温度、部品のマウント位置等のプロセスパラメータを考慮したシミュレーションにより、フィレット形状やはんだ内部および表面欠陥の評価が行えます。
※「FLOW-3D 」の名称、ロゴは米国フローサイエンス社の登録商標です。
フロー式はんだ工程
FLOW-3D® では、はんだ槽内の溶融はんだにより部品とリード線を接合するフロー式はんだ工程の解析が可能です。(左図:噴流方式、右図:ディップ方式)
製品品質において重要なフィレット形状は、はんだの液切れ、毛細管現象によるスルーホール内への濡れ上がりおよび部品との熱伝達による冷却を考慮して形成されます。はんだの温度、基板の移動速度やスルーホール径などに対する最適な製造条件を検討することが可能です。
Niボール入りはんだ溶融計算
均一球形のNiボールを配合したはんだペーストは、Niボールのスペーサー効果により基板上でICチップを水平に保ちながら接合させることで、クラックやボイドを低減し高い放熱性を実現できます。FLOW-3D では物体と流体運動の相互作用と物体間の接触を考慮した6自由度運動モデルにより、はんだ接合時のNiボール挙動およびICチップ姿勢に基づいた最適なスタンドオフ形成条件を検討することが可能です。
コイニング加工あり/なし計算
FLOW-3D® は高精度でロバストな自由表面追跡機能により、表面張力が支配的なスケールにおけるはんだの挙動とその形状を正確に評価します。コイニング加工は部品表面に溝をつける圧印加工であり、はんだの濡れを制御し、適切な箇所にはんだ付けをするための手段の一つです。加工による凹みはごくわずかなものですが、シミュレーションは実験結果と良く一致しており、コイニング加工の有無で濡れ広がり方が異なる様子を再現しています。
マウント工程におけるはんだペーストの形状評価
はんだペースト上に実装部品をマウントする工程では、部品位置や姿勢、部品の下降速度およびペーストのレオロジー特性がリフロー工程前のペースト形状に影響します。ペーストのダレや部品間の気泡は、リフロー後の接合品質を左右することがあります。FLOW-3D® では、実装部品の下降速度およびペースト粘度のせん断速度依存性を考慮することで、実装部品の圧下によるはんだペーストの形状変化を評価することができます。
レーザはんだ
レーザはんだは、電子部品や半導体産業で使用されます。温度に敏感な部品のはんだ付けを高精度で行う方法は、入熱を最小化し、部品の近くのダメージを避けることです。このプロセスは、ダイオードレーザを使用します。ダイオードレーザによって、ワイヤを供給して、小さな部品を接合するために、制御された領域へ熱を与えます。FLOW-3D® WELDでは、レーザの設定、温度依存の物性値、熱の輸送計算、相変化および表面張力の影響を考慮するため、このメカニズムをマイクロスケールで分析できます。